診療科・部門Medical subjects

神経痛・痙縮(けいしゅく)外来

脳神経外科部長 中島 慎治

慢性的な神経痛・筋肉のこわばりでお困りの方はいませんか?
症状にお困りの方はお気軽にご相談ください。

診療日 毎週木曜日 8:30~

痙縮(けいしゅく)について

痙縮とは、脳や脊髄など中枢神経の病気や怪我によって、手足や体幹の筋肉が過度に緊張して、つっぱったり曲がったりしてしまう状態です。
痙縮では、手の指が握ったままになったり、肘が曲がって伸びなかったり、足先が足裏の方へ曲がったりといった症状がみられます。痙縮は患者さん自身の活動にも大きな影響を与えますし、介護者の負担も増やします。また、痙縮は放置すると関節自体が固まる拘縮(こうしゅく)となります。
痙縮は後遺症なので治療できないと考えている方も多いようですが、治療できる場合があります。当院では全身の緊張が強い方には脊髄にバクロフェンという薬を持続注入する治療(バクロフェン持続注入療法)や、緊張した筋肉にボツリヌス毒素を注射して緊張を和らげる治療が緊張の原因となっている神経を切断する治療などが施行可能です。

神経痛に対する脊髄刺激療法について

脊髄刺激療法とは、脊髄に微弱な電流を流すことにより、慢性の痛みをやわらげる治療です。
海外では40年以上前から行われ、国内外で多くの患者さんがこの治療を受けています。

効果のある痛み

脊髄刺激療法は、神経の異常による痛みや血流障害による痛みなど、慢性難治性疼痛に効果があると言われています。具体的には、手術後に残る痛み、触るだけで痛いまたは焼けるような痛みなどがあります。

主な慢性難治性疼痛

  • 脊椎手術後の痛み
  • CRPS(複合性局所疼痛症候群)
  • 末梢血管障害(ASO(閉塞性動脈硬化症)、バー ジャー病、レイノー病など)による痛み
  • 脊椎・脊髄疾患(脊柱管狭窄症など)による痛み
  • 帯状疱疹後神経痛 など

脊髄刺激療法の流れ

体内に刺激装置を埋め込む前に、脊髄刺激療法の効果判定を目的とした刺激試験(トライアル)を行います。トライアル時に効果があり、かつ患者さん自身が希望した場合に刺激装置を植込みます(本植込み)

治療で使用する機器

使用される機器は、 主に刺激装置、リード(刺激電極)、 患者用コントローラです。体内に植込まれた刺激装置から電気刺激がリードに送られ、脊髄を刺激します。電気刺激の調節は、患者用コントローラを使って患者さんご自身が行います。 機器一式を植込む(本植込み)前に、治療効果を確認するため、リードのみを挿入して、試験的に刺激を行います(トライアル)。

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