放射線科
スタッフ紹介
楠元 正志
部長
- 日本医学放射線学会 放射線診断専門医
- 日本IVR学会 IVR専門医
- 日本医学放射線学会
- 日本放射線腫瘍学会
- 臨床研修指導医講習会修了
石橋 慧一
医員
- 日本医学放射線学会
- 日本放射線腫瘍学会
- 日本IVR学会
非常勤医師
久留米大学病院からの応援医師
放射線科の業務は医学の進歩により、多岐に渡っています。
そのため、久留米大学放射線医学教室から専門医師の派遣を受けています。
火曜日 | 服部 睦行:午前-放射線治療コンサル 完全予約制:事前に連絡をお願いします。 |
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診療内容
- 1.画像診断(64列マルチスライスCT、1.5T-MRI、透視)
- 2.核医学検査
- 3.血管造影検査・治療(緊急IVR・肝癌治療)
特色
当院の特徴として、以下の検査・治療があります。
フルモダリティーであり、最新機種の導入で高度な画像診断が可能となっています。
- 1.肝臓癌に対する肝動脈塞栓術、肝動脈内リザーバー造設術
- 2.認知症検査(MRI、脳血流シンチグラフィー)
- 3.胃瘻造設術(PEG、PTEG)
- 4.各種インターベンショナルラジオロジー
例)IVHポート造設、CTガイド下生検など - 5.核医学検査
(骨シンチ、ガリウムシンチ、心筋シンチ、各種甲状腺シンチ、副腎シンチ、レノグラムなどほとんどの核医学検査を行っています。)
県内トップクラスの画像診断施設
当院にはCT、MRI、核医学、血管造影があり、放射線科領域のすべての部門が当院には揃っています。
いずれの機器も最新型の機器を揃えており、大分県トップクラスの画像診断施設となっています。
1.かかりつけの先生からの依頼検査、検診異常の精査
かかりつけの医師からの紹介で画像診断を行っています。
また、検診などで異常を指摘された場合も最新の画像診断機器を用いて、診断を行っています。
最新鋭の80列マルチスライスCT
AI(人工知能)搭載であり、撮影時の被ばくを低減させ、また少量の造影剤でも高画質な画像を提供することができます。
(図1)マルチスライスCT
MRI
MRI検査は広く脳や頭頸部、椎体(背骨のこと)、肝臓、骨盤内の病気の診断に用いられています。
(図2)脳梗塞
発症3時間以内の脳梗塞:T2強調画像(左)では脳梗塞ははっきりしませんが、拡散強調画像(右)では明瞭に描出されています。MRIでは撮影技法の発展で診断能が向上しています。
(図3)脳動脈瘤
左内頸動脈の脳動脈瘤:造影剤を用いずに脳血管の描出が可能で、脳動脈瘤の診断に有用です。
(図4)アルツハイマー型認知症
早期アルツハイマー型認知症診断支援システム(VSRAD)の導入によって、正常脳との比較で、アルツハイマー病に特徴的な海馬傍回付近の萎縮の形態を画像化するもの。
80%以上の識別率(正診率)となることが確認されています。
矢印が脳萎縮部です。
腹部MRI検査ではCTと同様にがんや炎症の診断を行います。
造影剤を用いて、腫瘍の造影効果で質的診断を行ったり、鉄成分を含む薬剤を用いて、腫瘍の良性・悪性などの性質を調べます。
(悪性腫瘍では鉄の取り込みがありません。)
胆管や膵管をみるMRCP検査ではCTではっきりしないようなX線陰性の胆石症の診断が可能です。
(図5)膵臓がん
MRCP画像:
主膵管(膵液の流れる道すじ)の拡張が顕著です。
T2強調画像:
矢印は膵臓がんです。がんで膵管が圧排され拡張しています。
核医学検査
ラジオアイドトープという、微量の放射性を排出する「お薬」を用います。
狭心症や心筋梗塞にかかった方の心臓が十分に機能しているかどうか、腎臓や肝臓が十分に機能しているかどうかなどを調べます。
また、脳血流を調べて、脳梗塞や認知症がないかなども調べます。
がんの骨への広がりを調べたり、上明熱の原因を調べることもあります。
この検査機器も日田玖珠地区で唯一、当院にのみあります。
(図6)アルツハイマー型認知症(→:脳血流低下部)
認知症の場合は脳血管障害によるものか、アルツハイマー型認知症なのかなども血流異常のパターンから分かり、若年型(70歳以下)のアルツハイマー病ではMRIを上回る診断能を有しています。
(図7)肺塞栓血栓症
肺血栓塞栓症:造影CT(a)では血栓ははっきりしないが、核医学検査(b)では肺の中に欠損がみられ、診断できています。
治療後(c)は欠損がなくなっています。
2.胃や大腸ポリープの内視鏡手術
短期入院で内視鏡的ポリープ切除術を行っています。
写真のような主に2cm以下のポリープを内視鏡的に切除します。
(図8)大腸ポリープ
大腸ポリープ:右のポリープは早期がん、左のポリープは線腫(良性)の診断でした。
3.肝臓がんの治療
肝臓癌の治療では、手術療法のほかに、血管造影による肝動脈塞栓術や肝動注療法(肝動脈への抗癌剤の注入)があります。
動脈塞栓術ではまず、右足の付け根付近の動脈から穿刺し、特殊な管(カテーテル)を挿入し、肝動脈を造影します。
肝臓癌は肝動脈で栄養されていますので、血管造影でよく描出されます。そこに、さらに細いカテーテル(径1mm程度)を挿入して、癌の部分の肝動脈を薬剤で閉塞させます。
(図9)肝臓がんの治療
また、肝動脈内に何度でも抗癌剤を注入できるシステムの造設も行っています。
4.食事摂取困難なご高齢者への胃ろう増設
嚥下がうまくいかず、誤嚥性肺炎を繰り返す方に胃ろう増設を行っています。
5.セカンドオピニオン
画像診断一般、肝臓がんの治療に関して、セカンドオピニオン外来を行っています。